交感神経が活性化!
運動習慣のある人とない人の体と心の健康状態を比較した調査の結果、運動習慣のない人は、体にも心にも症状が起こりがちということが分かりました。運動習慣のない人の場合、背中が痛い、頭が重い、肩がこる、疲れやすいなどの身体症状だけでなく、寝つきが悪い、イライラしやすい、憂うつになる、何をするのもおっくうになるなどの精神症状も明らかに多かったのです。
さらに、運動習慣はうつ病の患者さんによい影響を及ぼすことが海外の多くの研究から分かってきています。軽いうつ病の場合、適度な運動を続けることで症状が改善したり、再発予防に効果が認められたことが報告されています。
運動すると自律神経の交感神経が活性化されて優位になり、意欲的でポジティブな思考になるといわれています。さらに以下の2つのことが関連していると考えられています。
(1)脳内で分泌されるエンドルフィンは、人がストレスに積極的な意志で立ち向かおうとするときに分泌される物質で気分の高揚・幸福感などが得られます。
(2)脳の情報伝達のバランスを整えるセロトニンが増えると心が落ち着いてさわやかな気分になり、集中力も高まります。不安感や抑うつ感なども改善されます。
メンタルヘルスのためには、楽しみながら、無理なく続けられる運動が適しています。体力や運動経験、時間的・経済的余裕などを考慮して、自分に合うものを行いましょう。
特にうつ病の予防には、リズミカルな運動がおすすめです。ウォーキング、ランニング、サイクリング、水泳などのほか、足踏みや腹式呼吸なども含まれます。
「継続は力なり」というように、運動は短時間でも毎日行うことが重要です。自分が続けられそうな運動を選んで、まずは続けてみましょう。