【中高齢者向け】コンディショニングトレーニング5つの原則
機能的な動作を身に着けるための5つの原則とは
1.地球上では、重力に対抗するための筋力が常に働いている
2.全ての関節に「可動性」と「安定性」がある
3.ある関節が動くと、隣の関節も連動して動く
4.動きは3面で行われる
5.力は「発揮」する前に「吸収」が起こる
1.地球上では、重力に対抗するための筋力が常に働いている
仰向けでバンザイする動作と、立ってバンザイする動作では力の入る部分が違う感覚があると思います。
このように、重力が働いている限り、その重力に対抗するための筋力が無意識の下で常に働いています。
高齢者にも立位の運動が必要な理由はここにもあり、
「歩く」という動作ひとつをとっても、重力に対抗する筋力が必須だからです。
2.全ての関節に「可動性」と「安定性」がある
誰かに押してもらったり自分の体重をかけたりして動く関節の可動域を「可動性」、自分の筋力で動かすことのできる可動域を「安定性」と言います。
股関節を180度開脚することができても(可動性)、そこから戻す(安定性)ことが難しいように、可動性の中に安定性があり、機能的に動く体をつくるためにはこの両方の適切な可動域が必要です。
3.ある関節が動くと、隣の関節も連動して動く
歩く動作ひとつにしても、足首の関節や膝の関節、股関節が連動して動いています。
この時、動きの良くない関節があると、それを補うために他の関節が動き過ぎてしまいます。それが怪我や姿勢の崩れに繋がることも。
各関節で適切な可動域を確保することが大切です。
4.動きは3面で行われる
首で例えると、
①前後に振る動き(矢状面)
②左右に倒す動き(前額面)
③ひねる動き(水平面)
の3方向の動きがあります。
1方向の動きばかりにならないよう、全ての方向でトレーニングをすることがパフォーマンスアップや怪我の予防に繋がります。
5.力は「発揮」する前に「吸収」が起こる
ジャンプで例えるとわかりやすく、飛ぶためには一度しゃがみます。このしゃがむ動作(力の吸収)と飛ぶ動作(力の発揮)は常にセットになっています。
椅子から立ち上る時にもこの発揮と吸収は起こっています。
高齢者だからといってゆっくりの運動ばかりに偏ってしまうと、この発揮と吸収の能力が弱まります。
そのため、強度は低くても良いので、少し早く動いたり段差をつけたりして「発揮」と「吸収」を意識した運動をすることも大切です。
まとめ
体の構造を理解してトレーニングをすることは、効果アップと怪我予防になります。
また、人それぞれ体質も違えば目指すものも違います。
ぜひ、自分の体と目的に合った方法でトレーニングしていきましょう。